ハリウッドVFX業界就職の手引き

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鍋潤太郎氏による、海外のVFX業界で働くための手引き。お薦めです。

2013年5月21日火曜日

アメリカに住んでみる - LA都市伝説

木村でございます。ここのところアメリカのVFX業界の厳しい話が続きましたので、今回は少々緩い話をしたいと思います。アメリカ暮らしの小ネタやトリビアをお届けしようと思うんですが、今回は私が住んでいる街、ロサンゼルスに関する都市伝説です。


このロサンゼルス、我々この街に住んでいるものはもっぱらLAと呼ぶことが多いですが(ちなみに日本人がよく使う「ロス」という言葉はアメリカ人は使いません)、観光で一度でもいらっしゃった方はご存知かと思いますが、ただっぴろいわりに公共交通機関が貧弱で移動が不便です。これは観光客に限ったことではなく、我々住人も車が生活の必需品です。厳密には公共交通機関がない訳ではなく、バスとメトロという鉄道が一応市内の要所を結んでいますが、本数が少なく、停留所や駅の数も少ないため、結局不便で車を使ってしまうというケースが多いようです。この問題を解消しようと、市はメトロの拡張を目指して線路の施設工事などを数年前からやっていますが、もはや車で移動することに慣れている市民がどれだけ利用するかは不明です。

そんなLAですが、昔は公共交通機関が整っていて誰もがそれを利用していた、という話があります。具体的には戦前、街の要所要所を路面電車が結び、皆がそれを利用して町中を何不自由なく移動していたというのです。では何故それがなくなってしまったのか、ということですが、ある都市伝説(というよりは陰謀説に近いですが)によるとそれは、GMが路面電車を全てなくしてしまったからだ、というのです。GMはむろんアメリカ最大の自動車会社のあのGMですが、その都市伝説によると、戦前運営していたその路面電車の会社は、ある時GMによって買収され、最終的に清算されて路面電車の運営も完全に取りやめられてしまったというのです。その理由はGMが路面電車をなくすことによって市民が自動車を買わざるを得ない状況を作り出し、自分たちの製品をより多く売ろうとした、というものでした。実際今でも市内にかつて路面電車が走っていたと見られる線路が特にダウンタウン周辺で見られたりします。

この都市伝説はLAでは結構ポピュラーで、こちらに住んでいる人は1度は聞いたことがあるのではないかと思います。人によってはGMがフォードだったりしますが、話の内容は大体同じです。では実際はどうだったのでしょう。調べてみますと、これは事実ではないのですが全くのデマという訳でもなさそうです。戦前LAに路面電車があり、市民がこれを利用していたのは事実ですが、当時のメディアによるとこれはすこぶる評判がよろしくなかったようです。汚くて危険だという今のアメリカの鉄道にも共通する不満も多かったそうですが、当時LAは都市として急速に拡張しており、路面電車の路線拡大が追いつかなかったのだそうです。こういった悩みはアメリカの他の大都市でも共通だったようで、この問題を解消すべく、National City Linesとその子会社であるPacific City Linesという会社がそうした都市の路面電車の会社を買収し、路面電車の運営をバスに切り替えていたそうです。バスには線路を施設する必要がないため、急速に拡大しつつあったアメリカの大都市には向いている、という判断だったのでしょう。ところがこの行為が独禁法(反トラスト法)に違反するのではないかと考える人達の反発を呼び、実際に裁判にまで行ったようです。問題を更にこじらせていたのがこのNational City Linesの出資会社にGMやFirestone Tire、Standard Oil of California(今のChevron)といった、バスの運営により直接的にも間接的にも利益を得られる立場にあった会社が含まれていたことで、結局最初の裁判では黒と判断されたものの、次の裁判で白の判定が出て反トラスト法の裁定は免れたようです。その後もしばらくは一部の人たちによってこの陰謀説が取り上げられたりしましたが、やがて人々の記憶からは忘れられ、今は都市伝説のように残っているのだそうです。

ところでこのブログなんですが、さすがに週1の更新はプレッシャーになってきましたので、次回から2週か3週おきにしたいと思います。気長におつきあいください。

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