ハリウッドVFX業界就職の手引き

ハリウッドVFX業界就職の手引き
鍋潤太郎氏による、海外のVFX業界で働くための手引き。お薦めです。

2014年2月26日水曜日

ショート・ドキュメンタリー「LIFE AFTER PI」

木村でございます。アメリカ西海岸時間で2月25日の夜11時頃、YouTube上に30分ばかりの短編ドキュメンタリー映画が公開されました。「LIFE AFTER PI」というタイトルで、私がかつて勤めたRythm & Huesの倒産とその後を追ったものです。




この映画のプロデューサー、Christina Lee StormはR&Hのライティング・デパートメントのマネージャーで、私も直接彼女の管理下にありました。劇中で話が出てきますが、R&Hが倒産した前日の日曜日、倒産が避けられない事態となったことから大量のレイオフが行われたのですが、この連絡を彼女らマネージャーがアーティスト達に電話で行っています。日曜日の夕方に、突然電話がかかってきて解雇を通達された仲間との混乱したやり取りを私も昨日のように覚えています。また、この映画でインタビューに答えているCG Supervisor Walt Jonesはクリエイティブ面でのライティング・デパートメントのトップであり、私も彼のディレクションの元に仕事をしていました。彼が指摘していますが、誰が辞めさせられて誰が残ったのか皆が席を見て回って確認しなければならないほど、当時は誰も状況を把握できない混乱ぶりでした。

実はこの映画がYouTube上にアップされた日はちょうど1年前、R&Hがビジュアル・エフェクツを担当した映画「Life of Pi」がアカデミー賞で視覚効果賞を受賞した日でもあります。私のこのブログでもこの時の模様をお伝えしていますが、投稿の最後の方で触れたアカデミー賞授賞式のスピーチの一件も映画の中に、実際の映像とともに出てきます。

この映画の中で、ハリウッドのVFXビジネスの難しさについて、映画会社からの制作費のレートが固定で、どんなに制作が延期されてもその足が出た分がVFXスタジオの持ち出しになってしまう、という問題が指摘されています。この点についてR&Hの創業メンバーの一人であり、CEOでもあったJohn Hughesは「しかしそこでだからといって給料をカットしたり、レイオフをしたらR&Hのカルチャーを根本から変えてしまう。それが結局R&Hという会社をダメにしてしまうのではないか」といったことを言っています。これは私もかつて多くのVFX業界の仲間から聞いたことで、この殺伐とした業界にあってもR&Hだけは志の高い、アーティストを大事にする会社だ、だからR&Hで働きたい、といったことを言っていました。

ところで先ほども触れたアカデミー賞ですが、数日前に業界紙のVarietyのウェブサイトにこんな興味深い記事が掲載されています。


アカデミーの関係者によると、昨年の視覚効果賞のスピーチの扱いに対するVFX業界の反発は彼らも承知しており、今年は上手くやるとのことです。そんなアカデミー賞は今年は今度の日曜日、3月2日に行われます。

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