ハリウッドVFX業界就職の手引き

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鍋潤太郎氏による、海外のVFX業界で働くための手引き。お薦めです。

2015年9月6日日曜日

英語を勉強し直してみる その3

9月に入って日本は急激に涼しくなってきましたね。このまま秋になってしまうんでしょうか。私暑いのはかなり苦手なので、それはそれで構わないんですが、ちょっと雨が多いような気もしますが。さて、「英語を勉強しなおしてみる」と題した連載の3回目、今回は日本人にありがちな不自然な表現を考えてみたいと思います。

何度も繰り返す

よく日本人の英語で、副詞や形容詞を繰り返す英語というのがあります。例えば、褒め言葉として「very good」などという表現がありますが、これを「very very very gooood!!」などと繰り返すパターンです。おそらくとても感心したので、なんとかその思いを伝えたいのだが、語彙が不足しているためveryを連呼することでその代わりとしたのでしょう。気持ちはわかります。

しかしながら、この3回以上同じ言葉を繰り返して何かを表現するということは、私の知る限り英語にはあまりない表現です。英語に繰り返しがない、ということではありません。実際、「very very good」という表現はネイティブでも稀にします。しかし3回以上は滅多に聞きません。私が以前何か本で読んだか話に聞いたかの記憶では、英語というのは本来繰り返しを非常に嫌う言語だそうです。つまり、同じことを何度も繰り返すよりも、その内容をより具体的に説明することを好む、ということなのだそうです。例えば、very goodで表現しきれないのであれば、なぜそれがとてもいいのかを具体的に上げながら、そういうところがとてもよかった、という風に表現するわけです。ただ、アメリカ人でも口語の表現ではそういうのをめんどくさがる人もいるようで、そのためにvery goodとかgreatとかよりも端的な表現があります。「awesome」という言葉で、本来は「ひどい」という意味だったようですが、転じて「素晴らしい」という意味に変わった口語表現です。これよりもさらに感心した場合は、「Fxxxing awesome!!」という表現もありますが、これは使わないほうがいいでしょう。

代名詞を使わない

ところで、次の文章をちょっと読んでみてください。

I like tennis. I play tennis every day. My parents play tennis too.

文章の内容自体の幼稚さはさておいて、表現の不自然さに気づかれたでしょうか。日本語にするとよりわかりやすくなります。

私はテニスが好きです。私はテニスを毎日します。私の両親もテニスをします。

英語では通常、一度出てきた名詞は、その後は代名詞で表現します。この例であれば、2度目以降のtennisはitで表現するのが自然でしょう。My parents ... のくだりでは省略してもいいかもしれません。これは日本語でも同じで、大概の人は2番目のセンテンス以降では「テニス」を省略すると思います。日本語でも不自然なのにもかかわらず、最初の文章のような英語を、特に書き言葉でやってしまう人が結構多いように思います。私自身もやってしまい、後で読み返して「しまった」、と思うことがよくあります。

これをやることの理由はおそらく、1つ1つのセンテンスを日本語から英語に翻訳するプロセスを頭の中でやっているからではないかと思います。そうなると各センテンスが分断され、個別の文章として頭の中での変換作業が行われます。流れで見れば不自然なのに、個別の文章ごとに集中して考えているため、その点に気付きにくいわけです。繰り返し表現のところでも書きましたが、英語は繰り返しを嫌う言語であり、同じ名詞を何度も何度も文中に登場させると、くどくて読みにくい文章になります。これを避けるには、とにかく一旦書いたら最初から読み直して、冗長になっていないかチェックしてみるしかないでしょう。

もししゃべり言葉でこれが頻繁に起こっている場合は、先ほども書きましたが、文章を日本語から英語に変換しながら喋っている可能性があります。これもまたよく英語の学習では言われることですが、言葉を毎度毎度日本語で考えてそれを翻訳していたら、とても普通の会話のスピードに追いつきません。どんな言語でも、それをある程度流暢に喋れるようになるには、思考自体をその言語でやらないといけない、とよく言われます。これは訓練あるのみですのでどうすればそうなれる、ということは少なくとも私には言えないんですが、ここがおそらく上手い人と下手な人の分岐点と考えていいでしょう。

スラング

ちなみに英語が流暢に聞こえるようにと、やたらスラングを使う人がいますが、普段の言葉はたどたどしいのに、Fxxkとか、Shxtとかいった言葉ばかり喋っていると、品性を疑われます。私の知っている方で、アメリカ人と口論になり、こうした言葉で罵っていたら警察を呼ばれた方がいます(実話)ので、注意したいものです。スラングは相手の言っていることを理解するために、知識として知っておくのは良いと思いますが、こうした言葉は多くの場合、単純な意味だけでなく共通の感覚のようなものの上に成り立っているので、それが身につかないまま使うと危険です。これは書き言葉でも同様で、アメリカ人が好んで使うイニシャル言葉、例えばOMG (Oh My God!)やWTF (What The Fxxk?)などは、普通であれば感心されない言葉ですが、書き言葉はその場で相手の反応が見れないため、どれだけの影響があるのかわからないまま書きっぱなしになってしまうという怖さがあります。アメリカ人が使っているので面白そうだけど、よく意味がわからない、というものは使うのはやめておいた方がいいでしょう。

次回はgoじゃなくてcomeな時、yesじゃなくてnoな時ついてお話ししたいと思います。




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